
格安SIM(MVNO)について調べている時、「マルチキャリア」や「トリプルキャリア」という言葉をよく見かけると思います。
マルチキャリアやトリプルキャリアとは、ひとつの格安SIM(MVNO)事業者が複数の回線タイプに対応していることです。
たとえば、IIJmioだとドコモ回線とau回線に対応したマルチキャリア。mineoはドコモ・ソフトバンク・au回線のすべても対応するトリプルキャリアです。
今回は、格安SIM(MVNO)におけるマルチキャリアとトリプルキャリアについて詳しく解説。マルチキャリアとトリプルキャリアに関する、メリットや注意点についても紹介します。
マルチキャリアやトリプルキャリアなら回線が選べる

前述のように、回線タイプを選べることがマルチキャリア・トリプルキャリアといいます。
2025年現在、IIJmioやmineo、nuroモバイルといった主要格安SIM(MVNO)事業者のほとんどは、マルチキャリア・トリプルキャリアに対応しています。
格安SIM(MVNO)事業者 | 提供回線 |
IIJmio | ・ドコモ ・au |
mineo | ・ドコモ ・au ・ソフトバンク |
nuroモバイル | ・ドコモ ・au ・ソフトバンク |
HISモバイル | ・ドコモ ・ソフトバンク |
イオンモバイル | ・ドコモ ・au |
QTモバイル | ・ドコモ ・au ・ソフトバンク |
マルチキャリアやトリプルキャリアの格安SIM(MVNO)事業者を選ぶメリットは?
マルチキャリアやトリプルキャリアに対応している格安SIM(MVNO)事業者は、ユーザーにとってメリットになることがほとんどです。
実際にどういうメリットがあるか詳しく解説していきます。
使い慣れたスマホをそのまま使える

マルチキャリアやトリプルキャリアに対応している格安SIM(MVNO)事業者なら、今使っているスマホをそのまま使うことができます。
たとえばauで購入したスマホをそのまま使う場合、格安SIMを申し込む際に、au回線を利用する回線として選べばOKです。
そのまま使えるとはいっても、SIMロック解除が必要な機種もあるため、使っている機種がSIMロックされているか事前に確認しておきましょう。SIMロックされている機種であれば、SIMロック解除をおこなってください。
ネット速度が安定している可能性が高い

マルチキャリア・トリプルキャリアに対応している格安SIM(MVNO)事業者は、通信速度が安定していると言われています。
理由は、マルチキャリア・トリプルキャリアに対応することで、格安SIM(MVNO)事業者が借りている回線の混雑が分散されるからです。
ドコモ回線を選ぶユーザーが多いことから、図ではドコモ回線が混雑しているような表現ですが、一概にドコモ回線が遅いとは言い切れません。
混雑する理由としてはドコモ回線を選ぶユーザーが多く、ドコモ回線でも現在はMVNO各社の設備増強によって比較的安定した速度で通信することができます。
家族で格安SIMへ簡単に1本化できる

あまり見かけないケースではありますが、家族でバラバラのキャリアを使っている場合、マルチキャリアに対応した格安SIM(MVNO)事業者で1本化することができます。
格安SIM(MVNO)事業者によっては、家族割を提供していることもあるため、家族でキャリアがバラバラという場合、格安SIMで回線をまとめるというのも毎月の通信費を節約する手段です。
マルチキャリアやトリプルキャリアの注意点
マルチキャリアやトリプルキャリアの格安SIM(MVNO)事業者を選んだとしても、大きなデメリットはありません。
ですが、契約前に知っておきたい注意点はいくつかあります。
マルチキャリアでも1枚のSIMで利用できるのは1回線まで
マルチキャリアやトリプルキャリアの格安SIM(MVNO)事業者では、ドコモやau、ソフトバンクの回線から選ぶことができます。しかし、1枚のSIMカードで通信できるのはひとつの選んだ回線タイプだけです。

1枚のSIMカードには1回線分の情報しか書き込めないため、1枚のSIMカードでドコモ・au・ソフトバンクの回線を切り替えるといったことができません。
最初はau回線を選んで、後からドコモ回線を使いたいといったケースも考えられるので、その場合はSIMカード交換(契約内容変更)といった手続きが必要です。
料金が異なる場合がある
回線タイプにより、月額料金が数百円ほど異なることがあるため、申し込み前に確認しておきましょう。
料金が異なる理由としては、事業者が各キャリアに支払っている間借り料金が異なることが挙げられます。
しかし、2021年に格安SIM(MVNO)事業者それぞれが、新料金プランを発表。マルチキャリア・トリプルキャリアに対応する事業者ほとんどがどの回線タイプを選んでも同一料金となっています。
まとめ
今使っているスマホをそのまま使いたいという人にとって、マルチキャリアやトリプルキャリアに対応していると、格安SIM(MVNO)事業者を選ぶ幅が広がります。
格安SIM(MVNO)事業者のほとんどがドコモ回線を提供しているので、auやソフトバンクにも対応した格安SIM(MVNO)事業者を選ぶことでネット速度が比較的安定している可能性も高いです。
それでも、キャリアから回線を間借りしている格安SIMの特性上、朝・昼・夜のピークタイムは速度が低下するかもしれないことを念頭に置きましょう。