手軽にライブ配信ができる、「LINE」のアプリ、『LINELIVE』がPCから配信することができるようになりました。
PCから配信することができることで、外部からの映像を配信することも可能になるので、配信内容の幅も広がります。
PCからの配信については、Android/iOS端末から配信するよりは手軽さは半減されてしまうのがネックですが、一度使い方を覚えると他の動画配信プラットフォームでも流用することが可能になっています。
目次
必要な機材やソフトウェアなど
前提として、Android/iOS『LINELIVE』をインストールして、使用できる状態にしておく必要があります。
「LINE LIVE」ダウンロード
今回は、ゲーム配信を例に機材やソフトウェアをご紹介していきます。
PC
PCについては、ゲーム配信をするならそれなりのスペックが必要です。
スペックについては一概に言えないので、実際に配信をしてみて、どれくらいの負荷がPCにかかるか確認する必要があります。
背景を絵にして、雑談配信を行う場合は、そこまで高いスペックのパソコンは必要ありません。
キャプチャーボード
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外部からの映像をパソコンに取り込むのに必要な機材となります。
USBタイプなので、拡張性のないノートPCでも利用することができるので、初心者の方にはオススメです。
今回紹介するAVT-C875は、別売りのデジタルAVアダプタを使用することで、iPhone/iPad/iPod touchの映像もHDMI端子から取り込むことが可能になっています。
マイク・カメラ
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マイクについては、安価なUSBタイプのヘッドセットをひとまず利用してもいいでしょう。
ザーッというノイズ等が入ってしまうことがデメリットといえますが、いきなり高価な機材を揃えなくても問題はありません。
また、ノートPCに内蔵されているマイクや、PCにコンボジャック端子があればスマホで利用しているマイク付きイヤホンで音声を流すことも可能です。
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カメラも同様に高価なカメラでなくても問題ありませんが、画質が荒くなったり、映像がコマ送りになって配信されてしまうことがあります。
カメラを利用した配信はスマホから行う方が良いと思います。
カメラについても、PCに内蔵されているWebカメラを使用することも可能です。
OBS(Open Broadcaster Software)
OBSは今回LINE LIVEの配信に使うのメインのソフトウェアとなります。
Windows、MacOSにも対応しており、無料でダウンロードができます。
OBSには「OBS Studio」「OBS Classic」の2種類があり、もっとも手軽に設定が行える「OBS Classic」を使用していきます。
OBS:ダウンロード
アマレコTV Live アマミキ! Ver3.10/AMVビデオコーデック
アマレコは、外部から取り込んだ映像を出力するソフトウェアになります。
最新バージョンが公開されていますが、無料で動作も安定しているVer.3.10を使用していきます。
アマレコの詳細な使用方法については、使用するキャプチャーボードとの兼ね合いもありますので、今回は割愛させていただきます。
アマレコTV Live アマミキ! Ver3.10:ダウンロード
AMVビデオコーデックは、アマレコに映像を映し出す為に必要なソフトウェアとなります。
公にはされてはいませんが、こちらも無料でダウンロードをすることができます。
AMVビデオコーデック:ダウンロード
OBSの設定方法
実際にOBSを設定していきます。
少し複雑ですが、一度設定してしまえば、YouTube Live!などでも、ほとんど同じ設定で配信することができるようになります。
シーンの追加
OBSを起動します。
①シーンを右クリックして、シーンの追加を選択します。
初回起動時は、シーンには何も入っていません。
シーンを追加する際は、何の映像を配信するかわかりやすいタイトルをつけるようにしましょう。
②シーンを追加したら、ソースを選択します。
空白になっているソースのボックスを右クリックすると、配信する映像を選択することができます。
今回は、アマレコの映像を配信するので、ビデオデバイスを選択しています。
ここから、ウェブカメラなどの映像も選択することも可能です。
ビデオソースの選択と設定
追加されたソース(ビデオデバイス)を右クリック、プロパティを選択すると上記のような画面に移行します。
①デバイスからAmaRec Video Captureを選択します。
いろんなデバイスが表示されますが、間違えないように選択しましょう。
②インターレース解除は、初期状態では「なし」になっています。
動きの早い映像を配信した際に、ノイズのような横線が表示されてしまう際に選択します。
スマホアプリなど、動きがあまりない映像を配信する場合は「なし」で問題ありません。
インターレース解除の種類については、配信する映像によって選択を変えていきます。
インターレース解除を選択すると、PCのスペックによっては、PCの動作が不安定になってしまいます。
③サウンドデバイスの設定です。
音はアマレコからの音を取り込むのでAmaRec Audio Captureを選択します。
こちらも、PCに接続されている様々なオーディオデバイスが表示されてしまいますので、間違えないように選択しましょう。
映像の品質・ビットレートの設定
OBSの最初の画面に戻って、上部の設定から「設定」を選択します。
エンコード設定は、LINE LIVE視聴者へ影響する設定になります。
①CBRが有効になっている場合は、外しておきます。
CBRのチェックを外すと、映像の品質が10段階で選ぶことが可能です。
PCのスペックに合わせて選択するようにしましょう。
②特定バッファサイズの使用にチェックが入っていれば外しておきます。
OBSは特定バッファサイズの使用を推奨はしていません。
③ビットレートの設定です。
高ければ高い程、高画質な映像を配信することができます。
ビットレートが高すぎても、視聴者側の映像が途中で止まってしまうことがあります。
OBSでは、2000kbitを推奨していますが、オススメは1000~1500kbitの間で設定することです。
なお、LINE LIVEでは4Mbpsのアップロード速度を確保しておくよう推奨されています。
夜間など、多くの人がインターネットにつなぐ時間帯は、4Mbpsの速度が出ない場合もあるので、ビットレートが高すぎる場合は、配信する側にも影響します。
よって、ビットレートは1000~1500kbitあたりで一旦設定するようにしましょう。
解像度の設定
ビデオ設定を行います。
実際に配信される映像の大きさになります。
LINE LIVEでは、タテ向き配信、ヨコ向き配信両方に対応しています。
①解像度の設定です。
ヨコ向きの場合、1280×720にします。
タテ向きの場合、720×1280に設定します。
今回は、ヨコ向きで配信をするので、1280×720に設定しています。
②解像度の縮小については未設定で問題ありません。
FPSは、送られる映像のコマ数と思ってください。
FPSは20~30をオススメします。
スマホやタブレットで視聴される方がほとんどなので、FPSが高すぎても映像に支障が出ることは少ないです。
マイクなどのサウンド設定
サウンドで使用するマイクなどを設定します。
①デスクトップサウンドデバイスは「既定」で問題ありません。
マイクについては、使用するマイクを選択します。
②配信されるデスクトップの音量やマイクの音量を増幅させることができます。
こちらについては、音量が小さすぎるといった特別な事情がない限り、デフォルト設定で問題ないでしょう。
詳細設定
詳細設定は、PCのスペックによって変更をすることをオススメします。
①ビデオのx264のプリセットが「veryfast」になっているか確認します。
プリセットは「ultrafast」~「slower」の8段階用意されています。
「slower」に近い設定にする程、画質は良くなりますが、その分PCへの負荷が大きくなります。
OBSは、このプリセットを「veryfast」にするよう推奨しています。
プレビューしてみる
ここまで設定ができたら、どんな風に配信されるか確認します。
OBS右側の「配信プレビュー」をクリックします。
プレビュー画面が表示されますが、映し出される映像が小さい場合は、プレビューを右クリック、「位置/大きさ」→「画面に合わせる」を選択します。
音声・BGMなどが流れているか確認
プレビュー開始をクリックすると、音量バーも動き出します。
プレビューでは、実際にどのくらいの音量で音が出ているか聞くことはできません。
音量については、視聴者に聞きながら、適切な音量を探すか、プレビュー開始ボタンすぐ上の録画機能で録画をして確認するようにしましょう。
LINE LIVEへログイン、ストリームKeyを取得して配信
PC版LINE LIVE(https://live.line.me/)にアクセスをして、右上のログインからログインすると、アイコンが表示されます。
アイコンをクリックすると「PCから配信」が表示されるのでクリックします。
ストリームURLとストリームKeyが表示されます。
メモ帳などにストリームURLとストリームKeyをコピーします。
ストリームKeyの「表示」をクリックするとストリームKeyが表示され、コピーができる状態になります。
ストリームKeyはユーザー個々に付与されるものになるので、他人に知られるとなりすまして配信ができるようになるので、取扱いには十分注意しましょう。
必要な情報をコピーしたら、OBSの画面に戻ります。
OBSの設定から「放送設定」に先程コピーした情報を入力していきます。
サービスを「custom」、プレイパスに「ストリームURL」、「ストリームキー」にストリームKeyを貼りつけます。
OBSの最初の画面に戻って、配信開始をクリックすると配信が開始されます。
実際に配信されている映像はhttps://live.line.me/から、確認することができます。
映像を確認することは可能ですが、配信されている音も確認しようと、音まで流してしまうとループバックが起こり、ハウリングの原因になってしまいます。
また、配信時に接続が頻繁に切れてしまう場合、ビットレートを下げることで改善することがあります。